「読んでばっか」 江國香織
作家による自作以外の本の紹介(書評、解説、エッセイ含む)、というジャンルが好きだ。
その理由は二つある。
・新しい本に出会うきっかけになる
・作家の好みや考え方など人間性が垣間見える
江國香織による、そのような本が上梓されたと聞きつけ早速図書館で予約した。
そうして読み始めてすぐ、「あーそうだった、江國さんってこんな感じだった」と懐かしい思いに捉われた。
我が家の本棚に江國作品は初期の『きらきらひかる』『落下する夕方』しかない。
どちらも高校時代に買ったもので、ほとんど読み返しはしないのだが手放すことなく、あるにはある。
『冷静と情熱のあいだ Rosso』やその他の作品は図書館や人に借りて読んだ。たぶん10冊くらい。
江國香織はやはり〝感性〟の人だ、は。
最初から最後まですべて江國フィルターがかかっている。
小説やエッセイを読む際、作者フィルターがかかるのは当然といえば当然なのだが、江國さんの場合、理屈は抜きにして、紹介する作品の手ざわり、肌ざわりをどことなしに夢みがちに語る。
〝感覚〟を言葉にすることにおいて彼女より上手い作家にそうそういない。
けれど『理屈は抜きにして』というのが、本の趣旨に合っていないのではないか。
これこれこういう部分が好き、という肝心の部分がすべて感覚(江國フィルター)なので、彼女と好みが合わなかったり、彼女の姿勢・生き方に憧れを抱いていないタイプの人間にはいまいち響かない。
ふわふわしすぎていて核心がよく分からないのと、私の好みが偏狭すぎて、読みたいを思えた本が一冊もなかったのは残念である。
