「ノッキンオン・ロックドドア 1&2」 青崎有吾
行きつけの本屋さんでおすすめされていた1冊。
偶然図書館で見かけたので、借りてみた。
ドアノブのない、つまり来客は絶対にその扉をノックすることになる探偵事務所『ノッキンオン・ロックドドア』。
そこには探偵がふたり。
事件の真相を動機や理由から追求する〈不可解〉専門の肩無氷雨と、トリック解明〈不可能〉を担当する御殿場倒理が、お互いの不得意分野を補い合いながら事件を解決していく。
上記の設定だけでも分かるように、ラノベ感満載だ。
表紙の時点で本格トリックではないだろうなぁ、と思ってはいたが。
ふたりに協力するクールな女性警部補(駄菓子好き)は大学の同級生で、この小説でモリアーティーを務める男もまた同じゼミに所属、そして当時4人全員が関係する事件があったらしい、ということが徐々に明かされ、2巻目の最後でその謎が解き明かされる。
仰々しく引っ張ったわりに、心理描写の甘い結末にモヤモヤ。
モリアーティー役も『PSYCHO−PASS』の槙島の足元にも及ばない小物ぶり。
1、2通して最も面白かっったのは1に収録されている『十円玉が少なすぎる』。
まぁこれもオマージュ元である『9マイルは遠すぎる』を知らなければの話。
やはり本家に比べるとかなり落ちるし、結末も大きく見たら同じじゃないですか。
そこは一捻り何か加えるのがオリジナルに対する礼儀なのでは?
『ロックドドア』とタイトルにあるのだから、もう少し密室トリックを頑張ってほしかったな。
キャラは立っているので、ドラマやアニメ化はありだと思う。
実写化の配役を考えてみたけれど、氷雨は神木隆之介くん、御殿場は綾野剛さんでいかがでしょうか??