「NOT FOUND」 Sexy Zone
Sexy Zoneの19thシングル。
特典やカップリング曲が異なる3形態で販売されている。
この1つ前に発売された『RUN』は名曲だった。
メンバーも自分たちの新たなシンボル曲として認識していたらしい。
これまでのSexy Zoneの代表曲といえばデビュー曲『Sexy Zone 』だった。
時代を創ろう Sexy Zone
と無邪気に歌っていたデビュー曲。
しかし現実は甘くはない。
世間は彼らが求めるレベルで認めてはくれない。
デビュー10周年をもうすぐ迎えるという段階で、この1曲しか世間に認知されていないという状況は焦るべきだ。
そんな時、彼らは『RUN』に出会った。
心地良い疾走感の中に焦りや不安を内包したこの曲は、伸び悩むグループとしての立ち位置や休養中のメンバーを思いやる中で、Sexy Zoneとしての現段階の全てをさらけ出す1曲となった。
終わらないだろう? 終われないだろう? 僕らは何も残せていない
思っていたほどの結果が残せていない。
後輩グループも台頭し始めている。
彼らは歌うたびに自分たちの立ち位置を再認識させられたに違いない。
中島健人のドラマタイアップも功を奏して売上も順調に伸び、先日放送された「ベストアーティスト2020」のジャニーズシャッフルで彼らの曲の中から選ばれたのは『RUN』だった。
この瞬間『RUN』は文句なしに自他ともに認める彼らの代表曲となった。
随分前置きが長くなってしまったが、ようやく本題の『NOT FOUND』について語りたい。
本音を言うと最初聴いた時、いまいちパッとしない曲だと思った。
『RUN』があまりにも良すぎた弊害だ。
歌詞の内容も“現状に満足できない足掻き”で前作と似通っている。
だがこれこそが今彼らが表現したい最たるものだと受けとめたい。
シングル2作を費やしてまで必死に訴えたいほどに。
あるいは前作に参加できなかった松島聡を加えて改めて宣言したのだ。
僕らが選んだ時代に宣戦布告だ
彼らにとって時代は“創る”ものから、理想通りにいかなかったとしても“選ぶ”ものへと変化した。
だが私はこれを敗北とはとらない。
なぜなら彼らは今でも時代を創ることを諦めずに、虎視眈々と狙っているからだ。
“物足りない” “満たされない” “叶えたい”が力強く繰り返される。
彼らはまだ本当の自分たちの実力を充分に示せていない。
そしてタイトル「見つからない」。
見つかっていない、見つけられたい、見つけてほしい。
痛切な叫びは私達の胸を突く。
正直にいうと、現状で彼らがSMAPや嵐のような国民的アイドルになるのは難しい。
何かが足りない。
けれども私見だが、その“何か”が手に入るまで、あともう少しのところまで来ているように感じる。
『RUN』『松島聡の復帰』という大きな上昇気流に乗るだけでなく、自ら切り開いてどんどん大きく羽ばたいてほしい。
それまで私 はSexy Zone を応援していく。